取材相手について、詳しいことは言えないけど……。
なんだか、教団って派閥とかあって大変そう?
取材相手…仮名ヤマダさんは、
今の教団が好きじゃない。昔に戻ってほしいんだって。
そのために、今の教団には一度ダメになってほしいとか……。
教団を暴きたがってるあたしに、
その崩壊のきっかけになってほしかったみたい。
だからかな。あたしが凄腕ジャーナリスト!!
……って感じじゃなくて、がっかりしてたかも。
ヤマダさんは、本当はダメなんだけど……って、
信徒に配られる広報誌のコピーをくれた。
それによると、教団トップの名前は、佐久間多留彦。
印象を一言で言うなら、新進気鋭って感じ?
若くて、カリスマ性があって、組織を変えようとしてる。
その一環として彼が計画していたのが、「儀式」……。
血の人形事件にも、たしかそういう説があったっけ。
これ、最近関連組織から人が消えてたことと関係あるのかな……。
昨日コメントを見てて気になることもあったし、
本当は、もっと詳しく話を聞きたかったんだけど……、
ヤマダさんは、会ったときからずっとおどおどソワソワした感じ?
ブツブツ何か言ってたかと思ったら、
ろくに質問もさせてくれないうちに立ち去ってしまった。
けど、最後にひとつだけ。
「あなたもきっと目をつけられてる。気を付けなさい」って。
やなこと言うよね。
でも、あたしは、Kを見つけるまでは止まる気はない。
この教団が、この佐久間って人がKの失踪に関わってるなら、
あたしは前に進み続ける。
……ってことで、今回の取材のまとめは終わり。
量は少なめだったけど、
これまでまったく不明だった教団の内情、総裁について知れたのは結構収穫だったかな。
これからは、この情報を足がかりに、調査を進めていこうと思う。
正直ちょっと怖いけど……、大丈夫。
あたしは負けない! 絶対に折れない!